ここがすごいぞSHAPANet(2)CPDLCシステム

シリーズでお送りしている「ここがすごいぞSHAPANet」ですが、先般の記事に引き続きまして、今冬に稼働を開始しますSHAPANet「CPDLCシステム」の構築についてご披露したいと思います。

国内空域再編

リアルの世界では、ただいま国内の空域について管制空域の大改編が行われています。

もう既に改編作業は始まっています。昨年の11月に福岡ACCが上下分離しました。次いで今年の2月に福岡の低高度を神戸コントロールに移管、そして来月には神戸コントロールも上下分離します。
来年の4月には西日本の高高度が福岡、低高度が神戸と完全分離し、2025年の4月からは札幌コントロールが消滅、高高度は福岡、低高度を東西で神戸と東京で分けることになります。高高度が福岡一本でスルーされるわけですね。

CPDLCとは?

なんでこのような再編をするのかというと、過密する航空路への対応から管制官が同時に処理しなければならない航空機の数が増加し続けていることに起因しています。
ある空域にいる航空機が同一の周波数を使って、同じ管制官と通話するため、あるパイロットが他のパイロットの通話を意図せず妨害(ブロッキング)する機会が増えることになります。また、管制官とパイロットの通話は必要最小限で行われるとはいえ、やはりそこにはある程度の時間を要するため、航空機の数が多くなればなるほど対応が困難になってきます。さらに、機器の故障や、操作ミス等で使用周波数を意図せず送信してしまうと、その空域全体の航空機がその周波数で通信できなくなってしまうという問題もはらんでいます。
世界的な周波数チャンネルの欠乏ともあいまって、デジタル通信でより高密度な通信を可能とする新技術として生まれたのがCPDLCです。
おそらく国内の高高度はCPDLCでの通信になると思われます。

SHAPANet CPDLC System

ということで、SHAPANetではこのCPDLCを再現しちゃいました!
SHAPANetでは「Hoppies ACARS」システムを使わせていただいております。

航空機側

航空機側は「ACARS AIR」のCPDLC専用のMCDUインターフェイスを使って、全てのフラシムエンジンでCPDLCが利用できます。これで、

PDC (Pre Dreparture Clearance) リクエストができて、

こんな感じでデリバリークリアランスがデータリンクで完結します。

洋上管制時の位置通報もCPDLCですね。

高高度の運用はこんな感じです。FL400に上昇が積乱雲回避のためと送って、コントールからFL400承認ですね。

P3Dv5のFL Labs AIRBUS 320を使うと、なんと機体のMCDU等でこのHoppies ACARSが使えるので、もうリアルそのものです!

管制卓側

管制側は「ACARS ATC」を使って航空機と通信します。

こんな感じでメッセージボードに受信しますので対応していきます。

ディスパッチ側

ディスパッチ側も各機からのOOOI(out off on in)が報告されます。(ほかの機能の使い方がわからないので誰か教えてください!!)

おわりに

SHAPANetでは、もちろん音声通信も常時開通しています。このCPDLCを使うことによって、大規模イベント時の出発承認や高高度・洋上管制でのCPDLC通信で音声資源省力化に貢献することでしょう。

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